「女神転生」西の聖地、飛鳥。

 ――― この空域は私の眠る飛鳥へと続いています ―――

 

はじめに
DDS的飛鳥マップ 談山神社
白鷺塚   酒船石・亀石
綾樫山   橘寺
石舞台   丸山古墳
高取・岩船・石川居住区   DDS的ロケーションマップ
猿石   飛鳥へ行こう!

 

はじめに

 「明日香」と「飛鳥」の表記の違いについてであるが、
「明日香」は奈良県高市明日香村など地図でも採用され一般的にその街をさす時はこの表記のことが多い。
「飛鳥」は「明日香」の枕詞の「とぶとり」をあてたもので、どちらかとういうと現代の町や村の境界を超越して飛鳥時代栄えた範囲をさす時の表記に多いような気がする。
飛鳥時代由来の建物などの表記は皆「飛鳥」で統一のようだ。

 飛鳥はDDS全編を通し、幾度となく主人公達が訪れた場所、つまりDDS的西の聖地である。主に登場した巻数は「女神転生」「魔都の戦士」「氷界の女王」「神魔の惑星」。
その他に、ゲームではルシファーがここに大魔宮を造ってしまったのだから現地民はもう大変である。
 寺社、古墳、そして謎の石造物。飛鳥に点在する多くの史跡をメガテン的視点で見てみようと思う。
なるべく冷静に分析したつもりなのだが、意見、感想、反論、他説のある方はメールにてお知らせいただきたい。おおいに議論しましょう!

 尚、挿入の写真に付いては、現地取材の叶った場所のものであり、加工してあるが皆現場の写真である。半分冗談なので、絵と思ってもらっても結構。(なにしろ似たり寄ったりの写真だったので変化をつけようと・・・)
 現実世界での飛鳥旅行の模様は当HP「STRANGE AREA」にて公開。

→■奈良〜飛鳥ノーマル旅行記

 


 

DDS的飛鳥マップ

■デジタル・デビル・ストーリー式飛鳥周辺地図

赤字=実在の史跡名
緑字=実在の駅名
黄字=DDS内の架空の地域名
 ※ゼ●リン地図をトレースしたので、縮尺などはほぼ正確である。
   ただし益田岩船の位置は観光マップ参考なので、いまいち正確さに欠ける。

 


 

白鷺塚

 原作DDSファンにとって、飛鳥において最も気になるのが白鷺塚の位置であろう。
イザナミの墳墓にして冥界黄泉への入口。
ゲームの中では炎の腐海のど真ん中である。

 イザナミの墳墓を飛鳥に持ってきたのは原作者西谷史氏の独断であり(実際は出雲の国と伯耆(ほうき)の国の境、比婆の山と言う所)、ようするに白鷺塚とは架空の場所なのだ。
しかし、幸いにも新デジタル・デビル・ストーリー3「神魔の惑星」において、その位置が記された地図があった為、上記のように地図におおよその位置を示すことができた。
地図で見ると岡寺から丁度左45度、北西方面である。
 ところがマヌケな事に、太平は飛鳥に向うにおいて、その地図を忘れていってしまったのだ。
故に目前にまで迫りながら、その位置を目にする事はできなかったのである。

 白鷺塚の場所の記述はいくつかあるが、道順は、新デジタル・デビル・ストーリー2「氷界の女王」がもっとも解りやすい。
娼婦八重垣亜矢が、自らの人生を儚んで自殺しようと禁止区域の白鷺塚へと踏みこむくだりだ。

岡寺前の史跡街道を辿り、岡寺の廃墟を左に折れ、しばらく歩いたところ

とある。

岡寺 仁王門右は岡寺の正面玄関の仁王門。ちなみに現在ここから左へは曲がれない。
「岡寺の廃墟を」というのは少々無理があるようだ。
実際現地に行ってみると、岡寺から少し下った所に左・・・というにはちょっと辛い道があるが、それも少し違うように思う。

 では「岡寺前の史跡街道」を近鉄岡寺駅より伸びる道路と設定してみよう。
ここは実際太平が自転車で走った場所であり、「氷界の女王」「神魔の惑星」で北明日香や木戸礼子が辿り(地図中で示したルートはほぼ確実に通っている)、「魔都の戦士」で多分中島朱実がイザナミに助力を求めに行く為に飛鳥にやってきた時、キャデラックで走ったと思われる道でもある。
すると、左に折れるタイミングは地図で見ると岡寺(駅ではなく)で丁度突き当たる場所であろう。
「神魔の惑星」の地図と見比べると白鷺塚が存在するはずなのは大体地図で示した範囲となる。

 あとは道路の西側か東側かというのが問題であるのだが、資料も無かったので、太平は現地でそこまで突き詰める事ができなかった。本当に無念。

 ちなみに「女神転生」での中島朱実はケルベロス使用の為、亜矢とは違いショートカットコースととったに違いないと思う。

ズバリ白鷺塚はここだ!!(?)

甘樫丘からのパノラマ画像が別窓で開きます。

 


 

綾樫山(甘樫丘?)

濡れそぼつ綾樫山 白鷺塚と共に気になるのが、綾樫山の位置だ。
綾樫山はイザナミの力を借りた白鷺弓子が、実体化してしまったロキに殺されそうになった中島朱実を連れ、東京都国立から転移した先である。そして、白鷺弓子はここで息を引き取る・・・。
女神転生で最もドラマチックな場所である。

 まずはじめにお知らせしておくが、綾樫山という山は存在しない。
それではどこなのか?「女神転生」にある、場所についての記述を見てみよう。

右手前方には巨大な石の墳墓が(石舞台)、後方には新緑の霊気を放つ小山(多武峰)が見える。

石舞台と綾樫山を結び正三角形をなす点に、ぼんやりと二つの丘(白鷺塚周辺)が・・・

 太平は、実在の甘樫丘という地名こそが綾樫山であると判断する。
名前の酷似もちろん、石舞台と白鷺塚を結んだ直線を一辺とする三角形の頂点で、石舞台を右に見る山といえばここしかないからだ。
ただ、その三角形が正三角形でない事(どうあがいても二等辺三角形である)、中島朱実がケルベロスを使っても綾樫山の展望の利くところまで10分もかかっている事、「神魔の惑星」にて「綾樫山」と「甘橿の岡」と「甘樫丘」と別々に記述があるのが気になる。

 さて、「女神転生」にて中島朱実が白鷺弓子をケルベロスで運んだルートであるが、多次元シュミレーションで白鷺塚の場所を定めた後、多分一直線で向ったのではないかと思う。
アニメーション版でケルベロスが石舞台の上を駆け抜けるシーンがあるが、どうもそれでは遠回りである。
 尚、朱実を乗せたケルベロスは途中ハイカーに出会っている。
甘樫丘と白鷺塚の間には田畑と共に多くの史跡が点在するので、その道沿いのどれかではあるようなのだが。

綾樫山をのぞむ 写真前方の丘が甘樫丘、撮影地点は酒船石と飛鳥寺の中間点あたりである。
写真の甘樫丘の光の射している部分辺りから撮影地点の丁度左斜め後方へ走りぬけるといった所だろうか。

 実際の甘樫の丘には展望台が二つある。体力の関係上(苦笑)甘樫の丘側の展望台からしか景色を望めなかったが、上記の「石舞台を右手前」に望むにはもう一つの展望台の方が正解のような気がする。行けなかったから余計にそう思うのだろうが。
 展望台に登るには石と丸太の階段が整備されているので、登るのにはそんなに時間はかからない。
登る最中の景色としては、杉が多いが広葉樹も結構混在している原生林で、足元は笹とシダに覆われ鬱蒼としている。整備されている部分はそんなに暗い感じはない。

 霧雨の降る7月、冷たい白鷺弓子を抱え自らの罪にさいなまれながら道を行った中島朱実の引きずるような足取りが、疲れきった自分の足取りとシンクロする。(綾樫山を弓子を抱えながら歩いたのはアニメーション版のみであるが・・・)

 


 

石舞台

 石舞台は言うまでもなく、世界遺産の一つであり修学旅行の定番としてもあまりにも有名な実在の史跡である。
太平も、修学旅行他で過去3度訪れている。(飽きれたことに今回で4回目である)

 デジタル・デビル・ストーリー中での石舞台の登場回数は多い。
 中島朱実は「女神転生」で初めて飛鳥に転移した時、石舞台を見てそこが飛鳥であると認識する。

 次に、「魔都の戦士」で飛鳥に訪れた朱実は、石舞台を感慨深げに見つめ、キャデラックで送ってもらえたところをわざとそこから徒歩に切り替え白鷺塚へと向っている。

 新デジタル・デビル・ストーリーでは、石舞台の上の石はなんと白鷺塚を封印する為の封じ石として運ばれてしまっている。上部の石を取り払われた石舞台はなんとも間の抜けた姿だ。

電子獣ケルベロス 「神魔の惑星」、召喚されたケルベロスは、気絶した礼子を口にくわえ(!)大和特別区を監視するフライに追われる。「彼」は石舞台石室に礼子を押しこめると、咆哮一つでフライを撃墜した。
ケルベロスカッコ良すぎ。

 しかしながら登場回数が多い割には見ての通り、現場に到達したのは「神魔の惑星」での木戸礼子のみである。
ちなみにアニメーション版では中島朱実もケルベロスと共に足蹴にしている。

 実際の石舞台であるが、実物を拝む為には入場料が必要である。
入場料250円。駐車場も十分用意されているので、車で訪れる事も可能である。
昔は石舞台の回りに気休め程度の柵があった。
現在は取り払われているが、もちろん上に上るのはNGである。
石室内には入る事ができる。石舞台の石に触れるのは自由なので、歴史浪漫に浸るもよし、いろいろメガテン的妄想を膨らますもよし・・・。

 あと、石舞台の回りは大きな桜や梅の木で囲まれており、甘樫丘より石舞台本体を望むのは無理があるようだ。否、冬ならば可能か。

超絶スクープ?中島朱実の見た石舞台

超スクープと思ってるのは太平だけなのかしら・・・。

 


 

高取・岩船・石川居住区

 199X年。ルシファーの支配することとなった日本は表面上もとの生活を取り戻していた。
しかし、特別区と呼ばれる隔離された区域は別であった。大和特別区と呼ばれるようになった飛鳥は、白鷺弓子が憧れた飛鳥とはかけ離れた、魔族や猛獣の闊歩する無法地帯となっていた。
 大和特別区は、高取、岩船、石川の三地区に分けられており、その住人は全部で5000人ほど。
100名余りのヤクザがその実権を握っており、それぞれの地区同士で抗争を続けている。

 実際の位置としては、石川居住区は現実の石川町、岩船居住区は益田岩船遺跡周辺、高取は国道196号を南に下った辺り(一番上の地図外になってしまうが)であろう。

 


 

猿石

 中島朱実、白鷺弓子を飛鳥に転移させ、クエビコ老人が儀式にて呼び出し北明日香を救ったアヤカシは猿石の口より出現するらしい。デジタル・デビル・ストーリーではなにげに重要な役割をする石造物である。
「女神転生」では猿石は綾樫山にあるとあるが、綾樫山と仮定する甘樫丘に猿石は存在しない(見かけなかったと思うのだが)

 過去一度訪れた事があるのだが、残念ながらその時の写真がどうしても見つからない。
実物は田園のさなかに忽然とある林の中にあり、鉄の門扉で閉ざされていたと記憶する。そして高松塚古墳の公園内にはレプリカがあったと思う。
 18世紀初め頃、付近の水田から掘り出されたもので、制作年、目的ともに不明。日本の彫刻とは流れが違う事から、朝鮮渡来の石工の手による物だと考えられているようだ。

 



談山神社

朱塗りの社殿(コレは加工無し) 正確には「たんざんじんじゃ」と読むらしいが未確認。
桜や紅葉の季節が有名で、一度はニュースで見た事があるのではないだろうか?
「談山」とは多武峰の別称であり、談山神社は多武峰山中にある。祭神は藤原鎌足。
 偶然にも過去に訪れた談山神社の写真が見つかったので掲載する。写真の日付を見ると1990年である。
白鷺弓子は既に復活を果たし、新宿特別区にて狂気の監禁生活を送っている頃だ。

 太平が訪れた季節が真夏だったせいか、人影は少なかったように思う。なんせ社殿の中の展示物を見学するのに、太平一行しかいなかったので、わざわざ解説テープをスタートしてもらったほどだ。

 談山神社は新デジタル・デビル・ストーリー「氷界の女王」で、ルシファーの命により白鷺塚の封印を任されていたロキの嫡男ナリが居を構えていた場所である。
写真では朱塗りの社殿と深緑が補色関係で両方とも目に鮮やかであるが、「氷界の女王」では紅葉の代わりにイグドラシルという真っ赤な葉の妖樹に植えかえられている。

 


 

酒船石(さかふねいし)・亀石

 「氷界の女王」では石舞台、猿石と共に、白鷺塚の封じ石として塚に集められている。
前は通ったのだが、太平は実物を目にしていない。 

 亀石はその名のとおり巨亀のような形をしている。
一見ただの岩に見えるのだが、よく観察すると、人の手の加えられた痕跡がある。太平的には何かを造ろうとした途中なのではないかと思う。
 地元の伝説によると、亀石は少しずつ方角を変えていて、それが西を向いた時、大和一円泥沼の底に沈んでしまうと言われている。

 酒船石もまた目的不明の石造物である。
平たい花岡岩の上に円や直線の溝が掘られており、そのシャープで幾何学的な文様は、どことなくサイバーな雰囲気がする。
酒の醸造に使われたとか、油を絞ったなど諸説があるが、正確なところはわかっていない。

 



明日香村入口橘寺

 木戸礼子が「神魔の惑星」にて石舞台より岩船居住区に戻る道筋として僅かに登場。
橘寺は聖徳太子による建立。本尊は室町時代制作の木造聖徳太子坐像。

 写真は近鉄岡寺駅から東に伸びる道。橘寺へはあともう少し東へ進まねばならない。
礼子は丁度画面の奥から手前に歩いてきたと思われる。

 


 

丸山古墳

 「神魔の惑星」にて石川居住区ボス陸奥が、礼子のいる岩船居住区に攻め入る時の作戦に出てくる地名。
奈良県最大の全長318mの前方後円墳。後円部は陵墓参考地として宮内庁の管轄。
宮内庁管轄ということは被葬者は天皇家ということなのだろうか。

 


 

DDS的ロケーションマップ

ロケーションマップ

は撮影地点である。

あと、すごいアバウトながら、飛鳥に出現したデビルポリスの場所も地図に入れてみた。
ダイダロスからアンフィニまで全長1km弱くらいで換算。(これは全くの太平の主観で、1kmくらいはあった方がいいかなって思っただけです)

正確な根拠や、他説のある方はメールにてお知らせ下さい。

 

現場写真が余りにも加工されているので、名誉の為に原版を・・・

A 甘樫丘
ロケ地 甘樫丘

B 甘樫丘を望む
ロケ地 道端

C 岡寺
ロケ地 岡寺仁王門

D 明日香村入口
ロケ地 明日香村入口

 

E 石舞台
ロケ地 石舞台
A’ A地点からのパノラマ
ロケ地 甘樫丘

 

 

 


飛鳥へ行こう!

 さあ、あなたも飛鳥に行きたくなっただろうか?
いや、メガテンファンと生まれたからには一度は飛鳥を訪れるべきだ!(笑)
体力に自信があるのなら、弁当持って自転車でサイクリングというのもまた格別。

 そんなわけで、明日香村のHPを紹介しよう。
交通アクセス、みどころなど明日香村を訪れるに必要な情報が得られると思う。更新もまめにされているようだ。
実は当HPの石造物の解説はほとんどここのHPを参考にしていたりする。
 旅行の予定のない人もぜひ一度どうぞ。

明日香村ホームページ
http://www.asukamura.jp/

→■STRANGE AREA ・・・ 飛鳥ノーマル旅行記

 
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