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天薪マイラさん 「朱の明星」2004 1.5KB 

 

天薪マイラさんからのいただきものです。
2004年追悼奉納としていただきました。

『詩』でなく『詞』なのは、背後に音楽を想定してのことだからだそうです。
某帰国子女歌姫U嬢の全米デビューアルバムのトラック10の曲に合わせると歌えるんですって。
を、当ページの投稿物の中では新しい試みです。

三巻の裁判中、そしてラスト直前。
そのあたりのかなり厳しかったころの心境ですね。
普通のヒーローならちゃんと立ち直るところですが、中島朱実は弱い子でした……。
謹んで合掌。

 


 

 

 

朱の明星

 

 

そろそろ、そこから出ておいで…

誰も、君を責めたりはしないよ?

“君が悪くないなら”…

ほら、瞳を開けてごらんよ…。

 

…聞こえる?聞こえない…?

 

…『僕を…?呼んでる…?』

 

 

そうだよ、聞こえてくるだろう

“真実”を見に行こう。

『鏡…?』なんかではなくて、

真実、過去、心さえ映す…。

 

…怖い?怖い、の…?

…『怖い…。』だから逃げる…?

 

あぁ、いつからそうして来た?

君は臆病者だ…

『あぁ、どうしてなのだろうか…

 “僕はいつも逃げてきた”…!!』

 

 

…さあ!

見るなら、“全て”を…!

 

『あぁ!醜い…血だらけじゃないか!どこも、痛くなんてないのに…。…!?

 あぁ!そうか、これは返り血だ!僕は、命を殺めた…!』

 

『僕はずっと悲鳴を上げたんだ!ずっと痛みにもがいていたんだ!

 僕は何度も助けを求めた!何度も“やめて!”“助けて!”そう叫んだ!』

『僕はもっと辛く痛かったんだ!こんな世から逃げ出したかった!

 僕は楽になりたかったんだ!あいつらは少し痛いだけで楽になれた!』

『周りはいつもそうなんだ!

 自分に都合が悪ければ聞き流して!

 逃げられなければ、ねじ伏せて!

 僕もそうしただけなんだ!どうして僕だけが悪いんだ!?』

 

『どうして僕だけが悪いんだ?僕はずっと被害者なんだ!悪いのは向こうじゃないか!

 どうして僕だけ抵抗しちゃダメなんだ!?』

 

『できるなら…あの人に…

 唯一、愛してくれた

 あの人の手で…

 真の意味で…楽に、なりたい…。』

 

(……………。

 『……………。』)

 

 

 

 


 

以下天薪マイラさんよりの追悼奉納コメントです。

朱実君、あなたは最悪の被害者だ。
助けを求めても誰も助けてくれず、結局自分の恵まれたコンピュータ能力で悪魔を実体化させてしまった。
あなたは犯罪者かもしれない。
でも、あなたは100%悪質な加害者ではない、と私は信じている…。
最期のあなたは、きっと安らいだ顔をしていたでしょう。
強く願っていれば、またあの人と出逢い、結ばれる日が来るでしょう…。

 

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