はじめに
国立(というか国立駅〜大学通り)を訪れて感じたのは学生の町ということである。
一橋大学を中心に小中高校などが近辺に点在しており、国立駅から大学通りは学生達でいつも活気がある様子だ。
大学通りを外れると住宅地なのだが高層建築があまり見当たらない。
条例で建物の高さはおろか、使用する色まで指定されている地域があるようだ(正確にはわからないが、大学通りにそんな感じの内容の看板があった)。デジタル・デビル・ストーリーでは新旧共に主人公達の通う学校、十聖高校(アニメ版では十聖学園)の所在地として登場する。
作中でもたびたび高校とその周辺地域の描写がされている。
彼が毎日通い青春の日々の多くを過ごした地、国立を探検してみた。
DDS的国立マップ
赤字=実在の地名、施設名
緑字=実在の駅名
黄字=DDS内の架空の地名、施設名
※ゼ●リン地図をトレースしたので、縮尺などはほぼ正確である。
━=国立市と隣接する市の境界線
JR(旧国鉄)国立駅
十聖高校(学園)に通うために中島朱実、白鷺弓子が乗降していた駅である。
北明日香は十聖高校近辺に在住の為徒歩通学である。
木戸礼子も描写にはないが自宅が「日野」ということで、東京都日野市日野だとすると使用路線はJR中央本線なので同じく国立駅を使っていたと思われる。
DDS内では国鉄国立駅。新DDSでは既にJRに移行済みなので、JR国立駅。
画像はもちろんJR国立駅。
特徴的な三角屋根の駅舎は築70年ということで、この建物は中島朱実が通った頃と同じ景観のはずである。しかし意外にも国立駅の名前は幾度も出てくるわりには国立駅自体を舞台にしたエピソードはない。
個性的な三角屋根の駅入り口 | ホーム(上り側) |
改札
大学通り
DDSでは前日にかかってきた怪しい電話(中島の忠告の電話)に思いを巡らす白鷺弓子が歩くシーン、北明日香が学校へ通うシーン他、何度も登場する。
大学通りは地図のように国立駅を基点として南に伸びる大通りである。
4車線の外側のグリーンベルトは広く、桜と銀杏で二重に縁取られている。
その景観は「新東京百景」や「環境色彩10選」、「新・東京街路樹10景」、「新・日本街路樹100景」に選定されている。
画像は11月の様子である。
道沿いにはおしゃれなカフェも多い。
尚、地図中━で示したルートは白鷺弓子(きっと中島朱実も)が確実に通ったと思われる道である。
国立駅から一橋大学に向かって南に伸びる大通りは、弓子の通学路でもある。
眩しすぎる日射しに精一杯枝を伸ばし、淡い緑の葉を広げる銀杏並木の下を、弓子は眠そうな目を下に向け何かを考えながら歩いていた。
国立駅改札を出てすぐ。大学通りの基点。
桜並木を挟んで道路の反対側にある、瀟洒な喫茶店の二階のカウンターでは、学舎に駆け込む生徒たちをよそに、同じブレザーを羽織った十聖高校の男子生徒が、ジャムトーストをかじりながら、漫画に読みふけっていた。
さて、ここで編集長は北明日香が悠長にサボりをきめこんでいた件の「瀟洒な喫茶店」を探索してみた。
大学通りを一橋大学を越えたあたりから十聖高校のあると想定される左ブロックの反対側に渡り大学通り沿いを探してみる。
しかし残念ながらおしゃれな喫茶はあれど、二階にある喫茶店は見つからなかった。画像は全然関係ないが、探索終了時一休みをした国立駅ロータリーあたりにあったマクドナルド二階よりの眺め。
ジャムトーストも漫画もないが、「二階」というのがこだわりだ。
これくらいの角度から見下ろしていたと実感していただければ・・・。余談であるが、DDSの後継小説デジタル・デビル・ジェネレーションでは大学通りで悪魔出現事件が起こっている。
一橋大学
一橋大学は実在の大学である。
大学の敷地は大学通りで東西に分断されており、正門は大学通りに面してあり本館は西キャンパスにある。
DDS、特に新DDSでは校舎、学生ともに頻繁に登場する。
事件前のDDSではのんきにサークル活動にいそしむ普通の大学生としての描写がされているが、新DDSでは治安警察のありかたなどに反論を唱え、活発に運動を行っている「民主回復連盟」に参加する学生もいるらしいく、正門で演説、ビラ配りをする姿が描かれている。
東キャンパスのはずれのサークル会館内放送研究会の部室が十字軍に協力する学生の拠点となっており(民主回復連盟参加者とは別か?)、成川、北明日香らの終業式一斉蜂起作戦の相談がされた場所である。周辺は閑静な住宅街で、新DDS登場人物、北明日香、同級生原絵里の自宅がある。
→■ 一橋大学HPへ
http://www.hit-u.ac.jp
十聖高校(学園)
小説では十聖高校、アニメ版では十聖学園である。
新DDSでは忌まわしい記憶を消すかのように校舎など施設の全てをリニューアルしている。校舎の概要は・・・
旧校舎:三階建ての校舎。CAIルームは平屋建ての別棟
新校舎:中央に神田のハリスト正教会をモデルにした丸屋根の講堂、東西両翼に赤レンガ外装4階建ての学舎。当然のことながら中島朱実らの通う十聖高校は架空の学校だ。
しかし、十聖高校へ到る道の描写に登場する場所は実在の箇所がほとんどだ。
ゆえに、所在地を推定するのは不可能ではない。ほぼ地図上の○の範囲かと思われる。さて、ここからは十聖学園のモデルを検証してみよう。
すでに弓子は無意識のうちに大通りを左に折れ、校門をくぐっていた。
十聖高校から一ブロック北に、一橋大学がある。
以上のことから一橋大学の南、大学通りの左側(東)であることは確かだ。
しかし厳密に探すと一橋大学(東側)の一ブロック南には学校はない。
地図で調べると一橋大学の南側には大学通りをはさみ東西含めると3つの高校がある。
そのいずれか、又はいずれもがモデルになったことは想像に難くない。
A学園 ほぼ一ブロック北に一橋大学(ただし西側)。大学通りを曲がった(ただし右に)ところに校門がある。対抗? |
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B高校 大学通りの左側にある。ただし校門は大学通りに面している(左に曲がったところには門らしきものはみあたらなかった)。一橋大学は一ブロック北とはいえない。本命? |
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C商業高校 場所的には少々厳しいが、開放的で(A,Bは並木で目隠しされていて閉鎖的な感じがする)イメージ的には最もスタンダードな学校らしいつくり。大穴? |
またまた余談だが、デジタル・デビル・ジェネレーションではほぼA学園のあたりに知子・マクニールの母校「十二妃大学」があると思われる。
DDS的ロケーションマップ
※●は撮影地点である。アルファベットの有るものは画像加工作品。
撮影は2003年11月。
A 国立駅ホーム |
国立へ行こう!
何か特別な思い入れのない限り国立を訪れる機会は少ないだろう。
しかし春や秋に訪れてみると、大学通りの桜、銀杏並木がとても美しい。
中島朱実にとっては忌まわしい通学路だったかもしれないが、緑も多く歩いていると住んでみたくなる町だ。
いっそのこと一橋大学へ進学するという手もありかも。(無茶いうな)