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October-November

--- Digital Devil Story 3 ---

 

 

 

  1. 「演奏してるヒューバート・ローズはジャズ・ミュージシャンだよ」
    [発言:10月2日 転生の終焉 第一章――偽りの聖歌より ]

     弓子の入院する病室にて「春の祭典」をかける中島。クラシックが好きとは意外という弓子に向かって言った台詞。
    中島はジャズ好きのようだ。
    お互いに不安を心に秘めつつ、束の間の平安を享受する二人。 

     出会ってすぐに事件が起き、その後すぐにセトによって離ればなれになっていた中島と弓子にとって、実はこの病院での生活が一番平和で幸せな時だったのかもしれない。
    彼らは前世ではなく、現実の中島朱実、白鷺弓子としてのパーソナリティをお互い知る余裕さえ与えられていなかったのだ。
    しかし平和は長くは続かない。二人に与えられたのはセトを倒し地球に帰還した8月下旬より、中島が逮捕される10月14日までのたった2ヶ月弱の期間であった。



  2. 「弓子が了解してくれれば、今すぐにでもお願い致します」
    [発言:10月11日 転生の終焉 第四章――魔性出現より]

     フィード教授からの電話で弓子の失明した目をアメリカで心霊治療してみないかとの提案に答えた中島。

     この時中島は一瞬のうちにいろいろ考えを巡らせている。
    なにより、弓子はアメリカへ、自分は日本に残って悪魔と戦わねばならないという事。反面、連日の夢魔による悪夢から逃れるには悪魔を倒して、原因を元から絶ってしまうのがいい、そして自分にはその力があるという事。
    いつもは信頼を寄せているフィードの、「責任の一端が中島にある」との指摘も彼を苛立たせたし、弓子の容態が思わしくないのも彼を焦らせた。
     弓子の事だけを考えていたい中島は、自分がすべての元を始めてしまったことを棚に上げ、フィード教授の話す、現在起こっていて、早急な対応を求められる諸々の課題(セトが着々と肉体を作り現世に降臨しようとしている事)について、全て煩わしいものとして受け取っている。

     人は自分の許容量を超えた仕事を押しつけられると(←ここが既に被害妄想的であるが)、「なぜ自分にばかり・・・」と逆ギレ起こすことがある。
    実際のところ夢魔の攻撃で後悔と贖罪を続ける毎日に、中島の精神力は極限まで疲労していた。中島にはそれが夢魔の仕業とは気づいていないので、フィード教授に相談することもしなかった。
    自分が全てを背負えば済むのではないか、半ば投げやりに口をついて出た承諾の言葉。
    しかし、できればその間弓子には最も安全と思われるところにいてほしいとの中島の優しさも伺える。

     二巻ではスーパーヒーローぶりを発揮した中島も、三巻に至ってはその敵の姿さえ捉えることなく無力化してしまっている。ひとえにルシファーの適材適所の作戦勝ちである。



  3. 「許せん!」
    [発言:10月14日 転生の終焉 第五章――罠より]

     フィード教授に病院の外に出ることを禁止されていたにも関わらず、弓子の願いを叶える為に飛鳥に向かおうとする中島と弓子。しかし、途中で暴徒に捕まり弓子を化け物呼ばわりされた中島は怒りにまかせ、ついにヒノカグツチの剣を召喚すると一般の人間を斬り殺してしまう。

     公衆の面前でヒノカグツチを召喚することは自殺に等しい。
    しかし非力な中島が暴徒の激しい攻撃に対抗し、弓子を助け出すには、それしかなかったのかもしれない。
    どこまでもルシファーの思うつぼである。
     なぜ、中島は弓子に真実(外に出るなと言われていた事)を話し飛鳥行きを止めなかったのだろう・・・。余命いくばくもないわけではないのに。
    とにかく弓子の悲しい顔は一秒たりとも見たくなかったのに違いない。しかしそれにしてはリスクが大きすぎる気がする。
    相手を大事に思う事というのは自分の身を危険にさらしても構わない事、ととれないこともないが・・・。
    深い愛情というのはそういうものなのだろうか。

     結果中島は容赦なく警察に捕まることとなる。本来なら当然主人公にあるべき作者の加護はないらしい。
    ヒーローの力も、世間や社会システムの力には到底及ばないのである。



  4. 「ぼくが最初に悪魔を呼び出したのは、彼らに復讐してやりたかったからに違いありません」
    [発言:10月22日 転生の終焉 第六章――受難の法廷より]

     裁判所にて検察官の厳しい質問攻勢についに中島はカミングアウトしてしまう。
     「過去に背負った罪の重さに耐えかねて、死刑を覚悟しているはでは・・・。」
    胸のつかえがおりたとの記述から、フィード教授の不安が的中したと思われる。



  5. 「弓子、父さん・・・・・・」
    [発言:11月6日 転生の終焉 第七章――狂乱の後により]

     絞首台の上から中島は愛する人々が自分を見上げるのを見た。思わず口をついて出た言葉はあまりにも悲壮であった。

     絞首台を登りつめた中島はまだ迷っていた。逃れる力は持っている。一人で逃げ出すのは容易だ。
    しかしこのまま罪を重ねて、その重圧に耐え、追われ、隠れながら生きていけるのか?弓子や父親やフィード教授の立場はどうなるのか?
    錯乱する父親の姿を見て、中島の意志は死に傾く。
     切なすぎる一瞬。編集長(管理人)には耐えられません(涙)。



  6. 「ありがとう・・・・・・」
    [発言:11月6日 転生の終焉 第七章――狂乱の後により]

     父親の死を目の当たりにし、狂気に捕らわれる中島。
    悪魔と弓子の区別も付かなくなった中島を弓子に憑依したイザナミが傷つける。血を吐きながら正気に戻った中島朱実最期の言葉。

     何に対する礼なのか・・・?
    無償の愛を与えてくれた事に対してだろうか。人を愛することを教えてくれた事に対してだろうか。
    こんなダメダメな自分に付いて来てくれた事・・・死に傾いた自分を処刑するのが首吊りの縄でなく弓子の手で行われた事・・・いや、怒り、悩み、悲しみ、そして愛し、今まで生きた中で最も激しく感情を露にできた、弓子と過ごした5ヶ月間全てに対してであろう。

     イザナミが弓子に憑依したのは弓子の体を、器を守る為であった。中島も弓子も結局は器にすぎない。
    中島はイザナギの器としては不完全であったのか、最後までイザナギの加護は得られなかった。それもやはり神の気まぐれというのか。

     愛する者を遺して逝ってしまった中島朱実。
    息を引き取ったのは愛する者の腕の中。その瞳に最後に映されたのは最も愛する人の美しい顔。
    短く熱く燃え尽きた中島朱実の一生。少なくとも最期の一瞬は幸せだったと信じたい。

 

 

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