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DDSの原点 >> 転生の終焉ストーリーダイジェスト
デジタル・デビル・ストーリー3 出版 徳間書店
著者 西谷 史
初版 1988年2月29日

 転

 
あんまり表紙で内容が推測できるのもねぇ

 やや間をあけて第3巻。その間にFC「女神転生」が発売されました。
 しかし、この3巻。多感な時期の女子中学生にはちと刺激が強すぎたような気がします。内容が予想よりはるかに悲惨な結末だっただけに、太平1週間はふさぎこんで立ち直れませんでした。
 この辺りの北爪氏の絵に太平はたいそう影響をうけたものです。ただ、ラストの中島の遺体を軽々と抱き上げる弓子のカットはかなりナニなカンジですねぇ。

 

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   原 本 構 成  
  序  章  
  第一章 >>偽りの聖歌  
  第二章 >>魔性胎動  
  第三章 >>混迷の首都  
  第四章 >>魔性出現  
  第五章 >>  
  第六章 >>受難の法廷  
  第七章 >>狂乱の後に  
  あとがき  
  解  説  

 

Ξ 序章 Ξ

 魔王ルシファーは黄泉のイザナミの元を訪れていた。中島と弓子に加護をあたえるイザナミをけん制する為である。
全ての諸悪の根源中島朱実を魔人としてつるし上げ、自らはそれを退ける「神」として颯爽と現世に現れる、という演出をもくろんでいたのだ。

ルシファー

「私は現世に神として降臨せねばならない。愚かな中島とやらが、ちょうどその下準備をさせる手頃な小悪魔どもを、現世に送り込んでおいてくれたのだからな。イザナミよ、とくと見るがいい!」

『転生の終焉』P15−16より引用

 


 

Ξ 第一章 偽りの聖歌 Ξ

 セトの死が確認されてから一月が過ぎた。夜の外出禁止例、銃を所持した自衛隊の姿が目に付く東京は見る影もなく荒廃していた。その原因が悪魔であると公表され、事件は「大破壊」と呼称されていた。
 中島が弓子を救出する為に開いてしまった扉から飛び出した悪魔達が、世を乱そうと暗躍する姿を、魔界の王ルシファーは高みの見物と決め込んでいた。彼の使い魔は若手名プロデューサーである田代を支配し、歌によって人心を操る悪魔セイレーンを教祖に教団を組織するようしむける。

 中島の立場は微妙なものであった。ロキを倒し、セトを倒した退魔の英雄であると同時に、悪魔が現実世界にやってきたきっかけもまた彼であった。世間にその存在を知られれば、どのような災厄がふりかかるかしれないのである。フィード教授は弓子の治療もあり、そんな中島を彼女の介護という名目で日本においてCIAの手の行き届いた病院にかくまうことにした。
 小原の怨みのこもった毒攻撃は弓子の眼から光を奪い、顔に醜いあざを残していた。そんな弓子を献身的に看病しながら、中島は贖罪の気持ちに自らを責め立てていた。

白鳩

「教団を組織するのだ。聖歌による悪魔退治を掲げたセイレーンの教団を!」

『転生の終焉』P28より引用

 


 

Ξ 第二章 魔性胎動 Ξ

 セトの呪縛から解放する代わりにルシファーに従うことになった与党幹部議員太田は、治安維持法ばりの対悪魔国家防衛法を強引に押し通してしまう。
内容は悪魔を使って犯罪を犯した者、そのために集まる者、煽動する者、金品のやり取りをした者などを死刑をはじめとした厳罰に処す、というものであった。

太 田

「鹿俣先生、大破壊を行ったセトの事例でも明らかなように、悪魔を呼び寄せるのは本質的には人間のよこしまな欲望なのです。これを絶つにはどのような立法措置でも行きすぎということはありません。そもそも現行法では悪魔を呼びだした者達を処罰するには無理があります」

『転生の終焉』P61より引用

 


 

Ξ 第三章 混迷の首都 Ξ

 セイレーンは出現した悪魔を歌の力で撃退する。詰まるところ、悪魔同士の自作自演にすぎない。しかし田代の巧みなプロデュースもあり、セイレーンを教祖とする「聖セイレーン教団」は日に日に勢力を拡大していった。
そんな混迷を極める日本に、海外出張中であった中島の父忠義が帰国していた。

タクシー運転手

「家族の安否を気遣って帰国してみえる人を一日に二人は(タクシーに)乗っけてますんでね。顔色で分かりますよ。お客さん(父、中島忠義)もようやく航空券が手に入って帰国してみえた口でしょ」

『転生の終焉』P77−78より引用

 


 

Ξ 第四章 魔性出現 Ξ

 お茶の水、サマルカンド病院。
悪魔の犠牲になった小原や級友が呪詛の声をあげる。中島の母親が燃え上がりながら迫る。夢魔に取り憑かれた中島と弓子は毎晩のように悪夢にうなされる。
そんな中、弓子はイザナミからのメッセージを受け取る。飛鳥に来るようにと。

 アメリカに帰国していたフィード教授から中島に連絡が入る。悪魔と戦う為に再びたってほしい、とうことであった。戦いに赴くということは、弓子と離れることとなる。
しかしフィード教授に弓子の安全の確保を約束された中島は、そもそもの原因が自分にあることもあり、それを受け入れざるをえなかった。
 弓子にそのことを告げる中島。弓子は別れる前に、夢で受けたイザナミのメッセージに従い、飛鳥へ行きたいと頼む。中島は自分の身の危険を改めて口にすることができなかった。そして飛鳥へ向うことにする。

フィード

「・・・・・・大変だとは思うが、連中の出現については、君にも責任の一端があるということを忘れてはいかんぞ」

『転生の終焉』P109より引用

 


 

Ξ 第五章 罠 Ξ

 飛鳥へ向う為に病院外へ出たのが間違いであった。早速待ちうけるセイレーンとその信者達に取り囲まれる中島と弓子。
悪魔を呼び出した張本人として激しい暴行をうける中島。そして弓子の醜いあざを化け物呼ばわりにされた時、中島の理性は消し飛んだ。ヒノカグツチの剣を召喚すると、暴徒と化してはいるものの一般の人間を殺してしまう。炎の剣を振るう中島の姿はまさに彼等にとって悪魔としか映らないのであった。
中島の手首に冷たい手錠がかけられた。
 ルシファーの計画は確実に現実のものとなりつつある。

中 島

「ぼくは白鷺君を守るために暴徒のひとりを殺してしまいました。それだけで十分じゃありませんか」

『転生の終焉』P127より引用

 


 

Ξ 第六章 受難の法廷 Ξ

 未成年である中島にも対悪魔国家防衛法は容赦はなかった。中島は特別法廷にて裁判にかけられることとなる。裏でルシファーの下僕が働いたのであろう、急遽来日したフィード教授、弓子は弁護側証人に立つことすら許されなかった。
 級友の両親達などの悪意ある証言に、次第に暴かれる中島の罪。
しかし彼の様子は真実を全てを告白することによって、胸のつかえがおりたのか、穏やかとも取れる程に静かであった。

中 島

「ぼくが最初に悪魔を呼び出したのは、彼ら(高見沢と近藤→「女神転生」登場)に復讐してやりたかったからに違いありません」

『転生の終焉』P146より引用

 


 

Ξ 第七章 狂乱の後に Ξ

 中島の死刑は確定した。
しかしルシファーはさらに中島を追い詰める。彼は太田に中島を公開処刑にするよう命じ、セイレーンには信者の一人に処刑場の中島の目前で父忠義を殺害させるよう命じていた。

 十一月六日。中島の刑は執行されようとしていた。

 セイレーン教団の信者が父忠義にナイフを付き立てる。暴動が起きた。
血を撒き散らしながら人の波に埋もれていく父の姿に絶望した中島に夢魔がささやきかける。
狂気に囚われた中島はヒノカグツチの剣を召喚すると、夢魔の見せる幻影に向かって次々と斬りかかってゆく。しかしそれはその場に居合わせた群衆であった。
セトの配下であった残党の悪魔がセイレーンに襲いかかる、操られた信者、一般群集、そして狂気の中島、。
 刑場では無益な殺戮が繰り返された。

 どうすることもできず呆然とする弓子にようやくイザナミの声が届く。今までルシファーによって力を封じられていたのだ。イザナミの力を得て、一瞬にして完治した弓子は中島の元へ走る。
しかし狂気の中島は区別もつかず、弓子にまでその剣を振りかざした。弓子の体を一時支配したイザナミの意識が、その力で中島を撃つ。
 崩れ落ちる中島。

中 島

「本当に、本当に君なのか・・・・・・」

『転生の終焉』P170より引用

 弓子の腕の中で、正気を取り戻した中島は息を引き取った。
弓子は激しくイザナミに怒りを絶望をぶつける。
弓子には到底イザナミの考えなど受け入れられる訳がなかった。
 そして弓子は、中島の手にしたヒノカグツチを自らの喉に突き立てた・・・。

 翌日、弓子の体を借りたイザナミは中島を葬るた為、彼の屍を抱きひたすら西へ、飛鳥へと歩いていくのであった。

 

 

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