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DDSの原点 >> 女神よ永遠にストーリーダイジェスト
新デジタル・デビル・ストーリー5 出版 徳間書店
著者 西谷 史
初版 1992年12月31日

 

 
弓子ちゃんは母の貫禄です。

 ルシファーとストクのマクロな動きに対し、黄泉から帰還した明日香の行動は、十字軍の作戦参加による十聖高校での蜂起へとミクロ化します。しかし、結局十字軍は神魔の戦いの大きな流れの中では成す術も無い様です。そして、ついに母の貫禄の弓子とヘルの女王様対決も決着をみます。
どんどんケルベロスが超越的存在になってきてますが、神の仕業か冥界の番犬という本来の目的を果たしているだけなのか謎です。実は弓子ちゃんは最初で最後、朱実くんをアナタ呼ばわりするのが今回の山場〜!

 

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   原 本 構 成  
  第一章 >>帰還  
  第二章 >>魔王と妖帝  
  第三章 >>天使長、動く  
  第四章 >>攻勢  
  第五章 >>黄泉、最後の戦い  
  第六章 >>ニューヨークのストク  
  あとがき  

 

Ξ 第一章 帰還 Ξ

 狂気の去った弓子は、御名方、八坂姫、ウズメ、沢女を護衛につけ、明日香を始めとする生者達を黄泉から返した。
弓子は朱実の言葉を心に、黄泉を護りつつ想い人の転生を待つ事となった。

弓 子

「この星には私の大切な方の魂が棲んでいます。だれが来ようと、けっして負けはしません。それより、あなた方が昔棲み、人々から崇められていた瑞穂の国(日本)が、魔族に蹂躙されている現状を、愁えなさい」

『女神よ永遠に』P10より引用

 諏訪地方でしか力を振るえぬ御名方と八坂姫は弓子の命により、魔族不可侵の聖域を復活させる為伊勢で明日香達一行と行動を別にした。
伊勢から巡洋艦クルセイダーに向う船上、ルシファーの差し向けた高位魔族バールの攻撃にさらされるも、沢女、ウズメの助けに加え今だ制御はできぬが、礼子のあらゆるエネルギーを光に変える力で退ける事ができた。
 クルセイダーに辿りついた明日香達を、米海軍の最敬礼と共にフィード教授とキララが迎えた。

 


 

Ξ 第二章 魔王と妖帝 Ξ

 ルシファーとストクはついにあいまみえた。
日本の破壊だけを望むストクにルシファーは広い世界を示し、その支配権の半分を持ちかける。
急速な近代化に激しく汚染、破壊された自然を憂え、ストクはルシファーに手を貸す事に決めた。

ルシファー

「ガブリエルと申す、天つ神と戦うためです」

ストク
「なるほど、自分の手を汚したくないというわけか。面白い話ではあるが、いま少し考えさせてもらう」

『女神よ永遠に』P68より引用

 巡洋艦クルセイダー内では、日本の十字軍を指揮するカトリック枢機卿ベニグノ・シモンと、プロテスタントの支配する米国の代表としてのフィード教授が、互いに相容れぬ宗教観に会議を進められずにいた。
しかし、ガブリエル降臨の奇跡を目の当たりにさせられ、米国とローマ法王庁は協力し魔族と対抗する事になった。
 別室では、明日香と礼子が、3ヶ月ぶりに十字軍の一員となった親友健吾と絵里に再会していた。
健吾と一緒にコスタ神父の留守を預かっていた、元治安警察官で、かつて朱実を救ってその命を落とした男の甥、成川の姿もあった。
そして彼は次なる作戦として、明日香に十聖高校を中心にレジスタンス組織を広げるプロジェクトへの参加を依頼した。

 


 

Ξ 第三章 天使長、動く Ξ

 米国衛星の電波ジャックによる十字軍のゲリラ放送が放映された。
衛星にしこまれていた米国の隠しソフトウェアの所為で、日本側からの操作は全く受けつけなった。
日本の放送衛星の供給も、電波妨害もほとんど米国に頼っていた為、ルシファーが直接宇宙へ飛んで衛星を破壊するまでその放送を止める術はなかった。
ゲリラ放送が中止されると、サンジェルマンはすばやく報道管制の手を打ちにかかった。

サンジェルマン

「米国が衛星に細工したことを、報道してもらわねばならない。そして、米国の犯罪を糾弾して、世論を反米に導いてゆくことこそ、おまえの務めだと知るがよい」

『女神よ永遠に』P92より引用

 ホワイトハウスで、ガブリエルは悩んでいた。
今まで自分が降臨した時にはいつも明確な「神」の啓示があった。しかし、今回は未だ「神」からのメッセージはなかった。
自分は何の為に地上に遣わされたのか・・・。不安を振りきるようにガブリエルはルシファーをけん制する為にホワイトハウスから宇宙空間へと飛び立った。
 ルシファーはガブリエルの危惧を的確に見抜いたが、ガブリエルの「神」への服従はその程度の事で揺るぐものではなかった。

 一方明日香と健吾は十聖高校教師の中で比較的生徒側に位置する斎藤に協力を願い出ていた。リンチにあっていた朱実を、密告された礼子を何もできずに助けられなかった事を悔いていた斎藤は協力を約束し、十聖高校内部に入りこんでいる治安警察と魔族の数を十字軍に漏らした。
しかしその行動は魔族側に筒抜けであった。

 


 

Ξ 第四章 攻勢 Ξ

 十字軍は十聖高校での一斉蜂起を終業式の日に定めた。

 終業式の体育館。
講壇で演説する治安警察官の藤原美香に向って、十字軍に協力を約束した斎藤がいきなり批判の声を上げた。呼応して次々と立ちあがる生徒達。
蜂起は十字軍の思惑とは別に始まってしまった。
当初の計画は狂ってしまったが、とにかく講堂に飛び出して魔族の非道ぶりを叫ぶ明日香。
 斎藤の正体は、弓子を惑わした朱実同様、実体を持つホログラムだった。全てはサンジェルマンの策略であった。

サンジェルマン

「十字軍の行動は、私にはつつぬけだよ。きみが黄泉で逞しくなったと聞いて、度の程度成長したかを試してみたくて、今日まで好きにさせてあげたのだが・・・・・・君は落第だね」

『女神よ永遠に』P146より引用

美香は治安警察官の権威を振りかざし、生徒達の蜂起を押さえつけてしまう。
 事実上蜂起は失敗した。
さらに追い討ちをかけるようにサンジェルマンは、蜂起した僅かな生徒達に悪魔を憑依させると、明日香を襲わせた。友人達を傷つける事もできず、瀕死に陥る明日香を救ったのは遅れて講堂に駆けつけた礼子だった。礼子の力が次々と生徒達の憑依を解いていく。

 流れ落ちた大量の明日香の血液が、母を求める子の想いを受けてか、一時的に次元を歪め現世と黄泉をつなぎつつあった。

 


 

Ξ 第五章 黄泉、最後の戦い Ξ

 明日香達は肉体を現世に残したまま、その意識は次元を飛び越えて黄泉に至っていた。
次兄ヨルムンガンドを呼び寄せるヘルを垣間見つつ、意識はケルベロスを共に比良坂に座す弓子の元へと飛んだ。
意識体の明日香を感知した弓子は、明日香の求めに応じるように抱きしめる。まるで母が子を抱きしめるように。
瀕死であった明日香が生命力を回復の兆しをみせつつあった。

 ヘルの召喚に応じ、恐竜ほどもある巨大蛇ヨルムンガンドが凄まじい呪いを撒き散らしながら黄泉に到着した。
弓子は明日香を礼子に預けると、ヨルムンガンドと正面から対峙した。
巨大な蛇を小さな弓子の強大な炎が燃やし尽くす。
ロキの一族最強とされたヨルムンガンドでさえ、朱実の魂を愛を体中で感じた弓子に勝つ事はできなかった。

ヘル

「ルシファーの領土も、神に挑む夢も捨てた。白鷺弓子、おまえを殺すことこそ、わが宿命(さだめ)」

『女神よ永遠に』P182より引用

 倒れる兄に呆然とするヘルは、ヨルムンド号のクルーにニブルヘイムへの進路を指示すると、自らは弓子と最終決着をつけるために黄泉の地表に降り立った。
孤高の美しき戦士二人は限りなく近しい者でっあった。しかし、最期までヘルのプライドは相容れる事を許さなかった。
ヘルは惑星黄泉を巻き込んでの自爆の道を選んだ。

 死後の魂の集う場所は無くてはならないのか。それが御中主の意思なのか。
ヘルの命をかけた一撃で一度は微塵に砕けた黄泉は、ケルベロスによって何事も無かったかのように再生された。
黄泉比良坂で想い人を待つ弓子の彫像と共に。
 そして、明日香達の意識は現世へと引き戻された。

 


 

Ξ 第六章 ニューヨークのストク Ξ

 頼長、為朝を伴ってニューヨークに降り立ったストクは、ガブリエルを誘き寄せる為にホームレスの一人ピリポ・アレキサンドロをそそのかし、貧民層の不満を煽動させた。
ニューヨークに暴動が起こりつつあった。

ストク

「Philip why don't you do what you think?(ピリポよ、なぜ思っていることをせぬ)」

『女神よ永遠に』P199より引用

 

 

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