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DDSの原点 >> 神魔の惑星ストーリーダイジェスト
新デジタル・デビル・ストーリー3 出版 徳間書店
著者 西谷 史
初版 1991年8月31日

 神

 
ケルちんふっか〜つ!

 ケルベロスが復活!しかしながらいまいち理由が不明なのが不満です。
黄泉の世界に至った明日香は、大和の神族達と出会います。しかし、前世のしがらみか、沢女以外にはいまいち気を許されてはいないようです。
そして重大な真実が次々と判明します。黄泉、ニブルヘイムなどが同じ三次元空間に存在する惑星である事。唯一神の存在とサンジェルマンはイスカリオテのユダであった事。大和の神族でさえ、御中主=唯一神に造られし者という事・・・。ところでチャプター構成がこの巻だけ違うのは何故だろう。

 

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 原 本 構 成
第一章 >>異世界の住人達 1.出会い
2.ヨルムンド号推参
3.サンジェルマン
4.戦端、開かれる
5.謀略
6.洋上のフィード
第二章 >>魔獣復活 1.特別区の礼子I
2.特別区の礼子II
3.ルシファーの深謀
4.魔獣推参
5.明日香を追って
第三章 >>黄泉の死闘 1.中央線の怪
2.弓子
3.明日香V.S.ベルゼブー
4.新宿車庫にて
あとがき  

 

Ξ 第一章 異世界の住人達 Ξ

 黄泉比良坂の流砂にのまれた明日香は、大和の神族沢女に救われ比良坂の裏側に案内されていた。
一方その頃ヘルの救助信号を受けた巨人族の艦長スノリとヨルムンド号、そしてルシファーによって派遣されたベルゼブーは冥王星軌道近くに存在すると思われる惑星黄泉に到達し、彼女との合流に成功していた。そして、ルシファーとサンジェルマンの元にその正確な位置が知らされた。
 そして、サンジェルマンの真の目的が判明する。
サンジェルマンの正体はイスカリオテのユダ。
彼の目的は運命として自分を裏切り者の地位に貶め、敬愛するイエスをを奪った創造主の秘密を科学技術で暴き出し、復讐する事だったのだ。

ルシファー

「サンジェルマン、魔族の宮殿でイエス・キリストを崇めるとは、正気のさたとは思えんな」

『神魔の惑星』P36より引用

 沢女に誘われて辿りついたのは、宇賀山の大和神族の砦。
砦にはウズメ、ヒノカグツチを継承した猿田彦、イザナミと呼ばれる弓子、そして謎の黒衣の老人が陣取っていた。そこで明日香はウズメから神族の成り立ちについて知る。
神族とは御中主(みなかぬし)が直接創造した存在だというのだ。御中主は、あるいはゴッド、あるいはアラーと同一視される唯一の存在であるという。
 砦にヘルの指揮するヨルムンド号からの砲撃が始る。
ウズメは黄泉人を操り、猿田彦、白蛇姿の八坂姫、黄金龍姿の御名方かそれぞれに応戦する。
ベルゼブーはヘルに加勢する事無く、ルシファーより賜った半人半馬の美女キサナドゥーと共に戦いの全貌を冷静に傍観していた。

 緒戦は大和神族の勝利であった。
しかしながら、大和神族の結束は揺るぎ無い物とは言えなかった。評議の席で敵意を剥き出しにする猿田彦と黄金龍から人に姿を変えた御名方。二人をけん制する雷神御雷(みかずち)。
謎の黒衣の老人思い金は一喝によってそれらを納めると、新たなる対ニブルヘイムの魔族迎撃の為の布陣、再編成を取り仕切っていった。
その中に神族の一員として明日香も有無を言わさず黄泉比良坂の警護として組みこまれていた。
 ニブルヘイムの魔族側では捕獲した黄泉人を拷問し、敵の戦力の他必要な情報を取り出していた。そして、黄泉人に黄泉から出るようそそのかし、さらに神族を結束を弱めようと画策する。

思い金

「(―― 中略 ――)
ルシファーは残虐非道な悪魔であるが、知恵がある。それゆえ、黄泉の仕組みがわかるまでは、攻めてこようとはせん。だが、ヘルは恐れを知らぬ。これから、どのような非道な手を使うてくるか予想がつかん。皆の者、イザナミ様と黄泉を守るために力をつくせ。そして北明日香よ。おまえには、比良坂の警護を申しつける」

『神魔の惑星』P72より引用

 八丈島近海に停泊した巡洋艦クルセイダーでは、フィード教授とキララは大和特別区に侵入した明日香と礼子の様子を生命反応にて補足していた。
予定時刻になっても脱出しない礼子を純粋に心配するキララ。
フィード教授はしかしあえて救助班を差し向けなかった。非道呼ばわり覚悟のフィード教授による礼子の「力」を急速に目覚めさせる為の荒療治であった。

 


 

Ξ 第二章 魔獣復活 Ξ

 岩舟地区ではヤクザ撃退の時明日香に助力し礼子の身を預けた後藤夫人が、一人で明日香を追う事も出来ず絶望に崩れ落ちる礼子をなぐさめていた。
 八重垣亜矢の無惨な死を目の当たりにした弟の悟は、生きる意志を無くし樹海の中をさ迷っていた。徘徊する悟を確保したのは元暴力団幹部の陸奥の支配する石川二区の人間であった。
悟から大和特別区の支配者、悪魔ナリが魔族同志の戦いで命を落とした(ように見えた)事を知った陸奥は、支配領土を増やそうとまず礼子の残された岩舟地区へを襲撃することにした。
 奇襲を受けた岩舟地区の住民は成す術もなく多くの人質をとられてしまう。
人質との交換で悟と共に捕われの身となった礼子は、陸奥が大和特別区の支配権をルシファーに直接要求する為の道具に使われた。

後藤夫人

「(―― 中略 ――)明日香ちゃんは、あんたを危険な目にあわさんとこと思うて、一人で行ったんや。あんたがするべきことは、特別区から外に出て、仲間に救援を求めることや!」

礼 子

「嘘つき、どうして私をおいていったの。ひどいじゃないの・・・・・・」

『神魔の惑星』P92より引用

 ルシファーはヘルへの復讐に燃えるナリの魂と交信していた。
ナリは自分の意志で黄泉へと至り、明日香と同化したと思っていたのだが、それはナリの性質を彼自信より熟知するルシファーの深謀の一貫であったと気づかされる。
ルシファーにいかなる策略があるのかは不明であったが、ヘルを亡き者にするという目的を同じくするナリは大和神族に気付かれずに明日香をヘルを倒せるレベルまでに密かに仕立て上げると約束した。

 礼子の身柄のルシファーの配下への受け渡しが始った。
丁度その頃彼女と悟が監禁されていた部屋で、精神的に壊れていまっていた悟は偶然発見したハンドヘルドコンピューターから無意識に電子獣ケルベロスを召喚してしまう。
 召喚されたケルベロスは、まさにルシファーの配下に受け渡されようとしていた礼子を、弓子や朱実と同じ臭いのする者として本能的に助け出した。
しかし逃げおおせたのも束の間、再び偶然にも悟の操作によりケルベロスは召喚を解かれ礼子の前から姿を消してしまう。
礼子は異形の獣が、かつて朱実が召喚した電子獣ケルベロスであり、悟が弄んでいたハンドヘルドコンピューターから呼び出された事を予想し、今後明日香を追う際に協力を得るために、再び岩舟地区へと取って返した。

 クルセイダー上から礼子の動きをモニターしていたフィード教授は、ケルベロスの参戦と大和特別区の魔族支配の弱体化を確信し、漸く礼子救出と白鷺塚攻略の為に十字軍部隊の派遣を指示した。

フィード

「キララ君、これは賭だ。いまを逃したら、おそらくもうわれわれが白鷺塚に入れる機会はなくなる。私の予想のとおり彼が出現したのなら、礼子君は必ず無事だ。そして黄泉を目指すに違いない」

『神魔の惑星』P139より引用

 礼子は一人で猛獣の闊歩する樹海をなんとか抜け、岩舟地区へと戻ってきた。後藤夫人の協力も得、ハンドヘルドコンピューターを入手。そして早速召喚したケルベロスと、後藤夫人、悟を連れ岩船地区を脱出し明日香を追うべく白鷺塚へと向った。
 コスタ神父を含む、十字軍の潜入部隊は、白鷺塚にてケルベロスに乗った礼子達との合流に成功した。後藤夫人と悟も巻きこんで一行は白鷺塚へと突入した。
その直後、ナリの後任としてルシファーに遣わされた山羊姿の悪魔バロメッツがその封鎖の任についた。

 


 

Ξ 第三章 黄泉の死闘 Ξ

 黄泉では、宇賀山砦とヨルムンド号の間で膠着状態が続いていた。
明日香はふと迷い込んだ岩戸の中で、弓子を目前にする。
弓子は水晶の棺の中で朽ちる事無く美しい中島朱実の亡骸と共に居た。うっとりとそれを見つめる彼女の心は現実にはない。
これでは朱実のホログラフで弓子を操った魔族のやり方となんら変わりない、明日香は弓子の背後に影のように控える思い金に詰め寄った。
思い金達にも理屈はあった。この黄泉でイザナミの行ってきた魂の浄化、転生の機能を滞らせるわけにはいかないのだ。

思い金

「この黄泉は、現世を離れた魂が、清められまた戻ってゆくところじゃ。イザナミ様がおいでにならねば、さまよえる魂は、現世に戻ることができずに、死滅してゆかねばなれぬ。」

明日香

「あんたのやってることは、悪魔と一緒だ。あいつらは弓子さんを操るために、中島さんのホログラフを使った。これは・・・・・・」

『神魔の惑星』P170−171より引用

 明日香が人を捨て、神族としてイザナミを守れという思い金の言葉に戸惑っている間に、ヨルムンド号からの攻撃が再開された。
地上でヨルムンド号とヘルが大和神族の注意を引き、ベルゼブー率いる別働隊が地下道から砦内に侵入、爆破するという戦術だった。
地上では本気を出したヘルと御雷、猿田彦、ヨルムンド号には御名方が迎撃にあたっていた。
 地下道にベルゼブーの姿を確認たところでようやく思い金は敵の陽動作戦気付き、明日香を地下道を守護する沢女の援護にまわした。
一対一でベルゼブーと対峙する明日香。やはり上位魔族との技量の差は歴然としていた。
明日香にとどめを刺そうとするベルゼブーの元にルシファーから指示が飛んだ。ナリと同化した明日香を味方に引き入れろ、と。

 白鷺塚を進んでいた十字軍と礼子達は程なく黄泉へと辿りついた。
明日香とベルゼブーとの戦いに早速助けに入るケルベロスと礼子。

 ヘルの猛攻にウズメ、猿田彦が次々と倒れる。
水晶棺の間ではその苦戦の様子の全てが逐一把握できたのだが、朱実との想い出にふける弓子は一向に動こうとしない。
痺れを切らした思い金は、力なく拒否する弓子の肉体に取り付くとヘルの元へと向った。
弓子の肉体に秘められたイザナミの力は驚異的だった。ヘルをいとも簡単に吹き飛ばし、巨大戦艦の体当たりを片手で受けとめ、全砲門からの砲撃も、ものともしない。

 その一方的な戦況をケルベロス・礼子と共に注目していた明日香は、弓子が自分の意志で戦っていないことに気が付いた。
思い金を背中に貼りつかれ、まるで操り人形のように戦わされる弓子の姿を見て、明日香は直情的な怒りを味方であるはずの大和神族に向けた。思わず思い金を攻撃してしまう明日香。
思い金の制御を失った弓子は糸の切れたマリオネットであった。
 御雷、御名方の呪いの言葉と攻撃を受けつつ、呆然とする明日香をベルゼブーがその場から連れ去った。
ようやく再会を果たした礼子は、再び明日香と引き離される事となった。

御名方

「まが津神め、死ね!」

『神魔の惑星』P200より引用

 新宿。
世界的報道カメラマン、サイモン・ケルビンは、フィード教授の要請で、一見平和を装った東京の魔族支配の裏を暴く為に暗躍していた。

 

 

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